こんにちは!
郵便局員に正知識をお届け(しようと)している郵便太郎です。
今回は、郵便局の持株会について説明していきます。
最近は将来年金がもらえないとか、支給が遅くなるとか、若い人には苦しい時代になりそうですよね。

75歳から支給してどうする・・・
という訳で、今回はそんな老後への対策として勧められる「持株会」について説明します。
内容をまとめると、
・将来成長する会社であれば検討の余地あり
・収入源の分散はされないので注意
・私は加入しない笑
・持株会が何か良くわからないひと
・もちろん郵便局員(やサラリーマン)
・会社を信頼していない笑
・ご自身で検討することをおすすめします
それでは、以下で詳しく説明していきます。
郵便局の持株会とは?仕組みを解説
持株会というのは、毎月お給料から一定額(郵便局は最大5万円)を天引きし、自分の会社の株を買っていく投資です。
「積立投資ってなに?」という方は、「【図解】初心者におすすめの積立投資ってなに?郵便局員が解説!」という記事で解説していますので、参考にして下さい。
持株会は、財形貯蓄などと一緒に、福利厚生の一環として儲けられている事が多いです。
たとえば、持株会に加入して、毎月1万円の積立額を設定すると、1万円分の自社株を購入できる事になります。
つまり、毎月1万円の貯金の代わりに、自分の会社の株が貯まっていくイメージです。
そして、お金ではなく株が貯まっていきますので、当然その価値は業績などに応じて上下していきます。
そして、転職や退職する際、もしくは自分が希望する時に、そのときの価値で株を売却できる、という仕組みです。
そもそも「株ってなんだっけ」という方は「【簡単】株ってなに?初心者も分かる株の仕組み【郵便局員が解説】」という記事で説明しています。
この売却時には多少面倒な手続きがありますが、まずは
という大枠を理解できていれば十分かと思います。
郵便局の持株会のメリット
郵便局の持株会のメリットは以下の通りです。
・小額から開始できる
・売るべき時期が自分でわかる
それぞれ説明していきます。
郵便局の持株会のメリット①:投資時期の分散
これは持株会全体に言える事ですが、持株会のメリットとして、毎月積立投資をしますので、「購入時期を分散=購入価格を分散」できる事が挙げられます。
つまり、月1万円の投資を1年間続ける事と、12万円を一気に投資することの、どちらが危なそうか?ということです。
「【図解】初心者におすすめの積立投資ってなに?郵便局員が解説!」で詳しく説明していますが、毎月続ければ、高い値段で買ってしまった損を、安く買えたときの利益がカバーしてくれるので、全体として損になりにくいのです。
この例では、投資をやめた時にヘルメットの値段が半額近くになってしまっていますが、持っているヘルメットを売却すると、かけたお金よりも増えているので、利益が出ています。

積立投資になる事によって、値段の上下のリスクを抑えられる
郵便局の持株会のメリット②:小額から始められる
2つ目のメリットとしては、「小額を積立てていく事ができる」という点があげられます。
持株会は、「自分の会社の株を毎月買っていく」とお伝えしましたが、だいたいの会社では多くても毎月10万円以下の積立です。
普通、この金額だと買える株は少ないのですが(特に持株会があるような大企業の場合は10万円だと買えない事が多い)、持株会であれば1万円からでも積立する事ができます。
これは、株の場合は、「最低でもこれだけの株を買って下さいね!」という単位が決まっているからで、多くの場合は100株が最低の買える単位です。
例えば、株価が一株500円の株があったとしても、500円から購入できる訳ではなく、「100株は最低でも買って下さいね!」と決まっている場合が多いので、この場合の最低の買える金額は、
となります。
これに対し、持株会の場合は、みんなのお金をまとめてから株を購入するので、一人当たりの金額は少なくても株を購入できる、という仕組みです。
ですので、「自分の会社の株がほしい!」という場合は、小額から始める事ができる持株会が非常に有効です。
郵便局持株会のメリット③:奨励金
これは、持株会が「出資する金額のうち、一部を出してあげますよ」というものです。
この持株会が負担してくれる割合については、現在明確なデータがないのですが、以前は3%を奨励金として持株会が負担してくれていたようです。
つまり、実際に払っている金額は毎月1万円なのに、購入している自社株は10,300円分、ということになります。

これはかなり大きなメリットですね。
郵便局の持株会のデメリット
次に、郵便局の持株会のデメリットを説明します。
・資産配分が見直しづらい
・購入した自社株の売却、退会がしづらい
それぞれ説明していきます。
郵便局持株会のデメリット①:収入源が集中
これは資産形成を考えるうえでかなり重要で、自分のこれから得られる資産が、「会社からもらう給料」と、「持株会で購入した自社株」のみになると、もし会社が倒産した場合、今後の収入もなくなりますし、自社株も価値がなくなってしまいます。
ですので、もし加入するのであれば、「持株会に加入していれば安心」という考えは捨て、「他の資産運用+α」として持株会を検討するのがお勧めです。

人生のすべてを郵便局に捧げるならアリですが、おすすめしません
郵便局持株会のデメリット②:資産を見直しにくい
これは実際に加入している方をみていて気がつくのですが、持株会の運用状況を確認するタイミングは、毎月の運用実績のはがきだけです。
つまり、自分の資産がどうなっているのか月1回しか気にしないので、運用について自分が求めている利回りかどうかを確認するタイミングが圧倒的に少ないのです。
「老後の対策なので、確認しなくても問題ない」という方もいるかもしれませんが、株という値動きの激しい商品に投資をしているので、個人的にはもう少し資産が確認できる方が、投資経験にもなるのでおすすめです。
郵便局持株会のデメリット③:売却、退会の手間がかかる
これも制度上の話ですが、郵便局の持株会を退会して、取得した株を売却する場合、以下の2つの方法になります。
②他の証券会社に移管して売却
①の方法だと、会社の総務部に連絡して、退会したい旨を伝える事になりますが、退会すると、大和証券の口座に保有している株が移動します。
このとき、持株会の場合は小額を積立てているので、「退会するときの保有株数が126株」なんて事もあり得ます。
しかし、冒頭でお伝えしたとおり、株は「最低限買わなければいけない株数」が決まっているので、その単位で保有しなければなりません。
この場合だと、持っている株は126株ですから、200株まで買い足して保有するか、126株をそのときの値段で売るかという選択になります。
資金に余裕がある場合はいいのですが、お金がない場合は、たとえ売却して損になるとしても126株を売らなければならず、苦渋の決断となります。
さらに、126株をその場で売却する事を選んだとしても、取られる手数料は大和証券が定める手数料になりますので、他に安い手数料の証券会社があったとしてもそちらを選ぶ事はできません。
ちなみに、大和証券の場合だと50万円以下の取引で4654円の手数料がかかるのに対し、楽天証券はたった270円です。

まさにこれが情報格差ですね。
というわけで、売却するときの手数料を抑えるのが②「他の証券会社へ移行する」という方法ですが、もともとの大和証券から、他の証券会社に株を移す場合、これまた手数料がかかります。
大和証券のHPを見てみると、1080円〜6480円もかかるようですね。
という訳で、持っている株数にもよりますが、①の「大和証券をとおして売却」の方が安い気がしますので、結局はこちらの方法になると思います。
私はネット証券しか使いたくないので、これだけでかなり微妙です。
郵便局の持株会に入らない理由
これまで、郵便局の持株会のメリットでメリットを説明してきました。
そして冒頭で述べた通り、私は郵便局の持株会に加入していません。
その理由は下記の通りです。
・老後の資産まで会社に任せられない
・大和証券の手数料たかすぎ
以上です。
積立投資の記事でも説明しているとおり、積立投資をしている限り、1回株価が下落したとしてもその後上昇すれば、損失をカバーする事ができます。
ただ、重要なのは「最終的に価値が上昇する」という条件です。
郵便局以外に勤めている方も、是非この点を検討して、「自社の将来は明るいのか?」という基準で持株会の加入を決めて頂ければと思います。

いま郵便局の持株会に加入するひとは少なそうです。
郵便局の持株会は損か得か?まとめ
今回は、郵便局の持株会を中心に説明してきました。
これを機に、ぜひ老後資金について検討してみてください。
・将来成長する会社であれば検討の余地あり
・収入源の分散はされないので注意
・私は加入しない笑

読んで頂き、ありがとうございました。
コメント